「技術を日本市場に最適化」ベントレー・システムズ日本法人 鴻野カントリーマネージャーに聞く

   インフラに関する3Dソフトウェアの世界的プロバイダーであるベントレー・システムズ(米ペンシルバニア州)の日本法人(東京都千代田区、鴻野圭史カントリーマネージャー)が、日本での事業を本格化させている。今後の展開を聞いた。

米本社のジェームス・リーCOO(右)と並ぶ鴻野氏(今年6月、日本法人で)

――略歴から。

鴻野圭史カントリーマネージャー(以下、鴻野) 米オートデスク社やスウェーデン・ヘキサゴン社、米PTC社といったグローバルソフトウェア企業の各日本法人で、CADやPLM(製品ライフサイクル管理)、BIMなどの分野を担当し、営業からカントリーマネージャーまで幅広く経験してきた。

そして今年3月、ベントレーが日本に新たな投資をするタイミングで、縁があって入社した。

――抱負を。

鴻野 ベントレーの技術を日本市場に最適化させ、事業拡大を進めたい。まずは、ベントレーのシステムを日本の基準や法規制(コンプライアンス)に統合することだ。

それによって、政府が進めるi-Constructionの実現に貢献したい。

――ベントレー事業の日本国内での現状は?

鴻野 ベントレーは世界的な企業だが、日本での浸透度はまだ低い。しかし、逆に言うとそれはチャンスだ。

――日本は3Dの浸透度が低いのでは。まだ2D図面の世界との印象は?

鴻野 それは、ある。あらゆる場面で感じている。今までそれでやってきた訳だから、と。

――どう打開するのか。

鴻野 ベントレーの浸透度と同様、むしろチャンスだと思う。例えば、補修。いきなり2次元図面を見せられても困るだろう。そもそも図面がない構造物もある。そこで、ドローンなどでスキャンして3次元の形を作らないといけない。そこに、私たちのビジネスチャンスがある。

――新たに3Dデータ化を?

鴻野 インフラの老朽化が進んでいるので、修繕のためのソリューションを提供するベンダーにはビジネスチャンスだと思う。

――武器は?

鴻野 1つは、 Cesiumだ。ベントレーの米本社は2024年、Cesium GS社を買収した。米フィラデルフィアを本拠とし、オープンソースの3D地理空間プラットフォーム・Cesiumを提供しているプロバイダーだ。

――Cesiumは、日本では?

鴻野 例えば国土交通省が主導している3D都市モデルプロジェクト「PLATEAU(プラトー)」は、Cesiumを活用している。

日本ではようやく動き始めた

――買収の意義は?

鴻野 これにより、ベントレーのデジタルツインと3D地理空間技術が統合され、2つのデータがシームレスに連携される。デジタルツインを3D地理空間で可視化できる訳だ。これは近年、その重要性がますます注目されている。

 インフラの修復でも、構造物だけでなく、周辺の地理データを全て取り込んで再現できる。とても現実的なソリューションだ。

――他には?

鴻野 小松製作所の子会社・EARTHBRAIN(東京都港区、小野寺昭則社長)と戦略的パートナーシップを締結した。ベントレーのプラットフォームを使って、建設会社が自動施工できる共通システムを作ってくれている。

――日本でいよいよ。

鴻野 世界的な知名度はあっても、日本ではようやく動き始めたというところだ。

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