ベントレー・システムズ「リージョナルセミナー2025東京」3次元地理空間データのCesium社買収 「インフラの未来創造 新たな一歩」

インフラの3次元モデルなどの世界的企業ベントレー・システムズ(本社・アメリカ)の日本法人(法人名同じ、東京都豊島区、アナトリー・アスト=リージョナルディレクター)は11月6日、ユーザーや代理店の年次総会に当たる「リージョナル・セミナー2025」を東京都内で開いた。アナトリー氏は冒頭の基調講演で、3D地理空間データを扱うCesium(本社・アメリカ、)を米本社が買収したことを報告し、「インフラの未来を創造するための新たな一歩」だと述べた。

セミナー後の懇親会で来賓と語り合うアナトリー氏

源氏物語 日本古典文学を専攻 今は日本法人率いる

この言葉(The New Chapter for Shaping the Future of Infrastructure)は、セミナーのサブタイトルとして使われた。ベントレー社が培ってきた経験と信念を基に、次の時代への挑戦を進めたいという強い思いが込められた。

 セミナーでアナトリー氏が日本語で行った講演の要旨は、次の通り。 


自己紹介すると、私はソビエト連邦時代のロシアで生まれ、フランスとアメリカで育った。日本の漢字、古文などに惹かれ、大学と大学院で源氏物語など日本古典文学を専攻した。日系企業で働いた後、CesiumのCOOを務めていた。

 構造物と地理空間データ(自然環境)を3Dモデルで結ぶオープンプラットフォームの運営会社だ。

 例えば橋梁モデルにしても、データ量が非常に重くて扱いに困っている人が多い。それをCesiumは独自のファイル形式に変換し、自然環境を背景に3Dで可視化できる。しかも、関係者と情報共有したい場合、相手が同じソフトでないと可視化できないケースが多いが、リンクを共有すれば誰でも見られる。 

 そのCesiumが昨年、ベントレー社に買収された。ベントレー社はインフラの3次元モデルを扱っているが、地理空間データと結び、自然環境の中で可視化することはこれまでできなかった。

 Cesiumの買収により、構造物の設計から資産管理システムまでのワークフローがスムーズになる。

 併せて、米本社の経営陣は1つの意思決定をした。日本に大きな投資を行い、ビジネスをより拡大させるのだ。そのため、日本と縁のある私が日本法人の責任者になった。

 日本は今、インフラが老朽化して対策が必要な時代だが、人口減少、労働力不足の課題に直面している。だからこそ、DXが必要だ。ベントレー社には、インフラ系の製品が多くあり、それプラスCesiumのオープンプラットフォームと組み合わせ、日本の社会問題を解決したい。


 大量の3D地理空間データをリアルタイムで高性能ストリーミングするソリューションを開発した。米国フィラデルフィアを拠点に、オープンソースと商用ソフトウェアを提供。日本では、700以上の官庁・大学・企業などが利用している。詳細は以下のQRから。

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