【連載】橋に咲く ~ 橋の補修は美容に似て

東海塗装 営業工事部 工事主任  野坂夏実さん

 神奈川県山北町で実施中の東名高速道路の橋梁床版取替工事―。そのうち、酒匂川橋(鋼3径間連続トラス)主構の炭素繊維シート補強工事などを担当している。立会検査や施工記録の撮影などを手際よく進めていた。

実は就活で、美容の世界を望んでいた。しかし、その業界はコロナ禍で深刻な打撃を受けた。「社会の変動に左右されず、長く続けられる仕事を」。そう考え、橋梁・土木インフラの長寿命化が専門で創業150年の東海塗装を選んでいた。

「この仕事は美容に似ている。橋の補修で行う不陸調整がファンデーション、表面塗装が化粧の仕上げみたい」

営業工事部に配属されて3年。元請を主として行う同社の中で、橋梁の補修全般に専門性を発揮して、下請として貢献する部署である。

大小10件の工事を経験した。指示通りに動いていたら、次に何をすれば良いかが分かるようになってきた。

コンクリート保護塗装の夜間工事も2度。夜勤の辛さを想像したが、「楽しかった。特に現場の一体感」と振り返る。き電停止から施工が3時間限定の制約で、工程管理のイロハを学んだ。

「橋は日常を豊かにする。小さな歩道橋でも関わった橋があれば、私が直したのって、知り合いに自慢している」

休日はボードゲームやイタリア製ホラー映画などで英気を養い、意欲を高める。「資格を取って、会社に貢献できる技術者に」と。

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橋と共に生きる女性を紹介する「橋に咲く」を随時掲載しています。

(橋梁通信2024年1月1日付掲載)

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